八尾市の一般内科・呼吸器内科・小児科・アレルギー科・美容皮膚科・美容内科

呼吸器の専門知識を活かした、
精度の高い診療を提供

呼吸器内科では、咳・息切れ・喘息・COPDなど、日常的に起こりやすい症状から専門的な疾患まで幅広く診療しています。
当院には呼吸器内科の専門医が在籍しており、長引く咳や呼吸の違和感など、原因がはっきりしない症状にも丁寧に対応します。必要に応じて各種検査を行い、一人ひとりの状態に合わせた適切な診療を心掛けています。
呼吸に関する不調がある場合は、お気軽にご相談ください。

Respirology

当院では、在宅酸素療法(HOT)を導入しています

在宅酸素療法とは、慢性呼吸不全や慢性心不全などにより、血液中の酸素濃度が一定基準を下回っている患者様に対し、酸素吸入を行う治療法です。英語の「Home Oxygen Therapy」の頭文字をとって「HOT(ホット)」とも呼ばれます。入院中だけでなく、住み慣れたご自宅で過ごしながら酸素吸入を継続できるのが大きな特徴です。
当院では在宅酸素療法を導入しており、呼吸器疾患をお持ちの患者様が、ご自宅で安全かつ快適に日常生活を送れるよう専門的な視点からサポートしています。通院が困難な場合でも、安心して療養を続けていただける体制を整えております。

症状から考えられる疾患

長引く咳

咳は気道内にある異物を排出するために起こる体の防御反応です。かぜを引いたときに鼻汁やのどの痛みなどと一緒に咳を経験しますが、この場合、十分な栄養や睡眠をとって養生すれば、多くは3週間以内に治まります。しかし、中には咳がなかなか治まらず、長引くことがあります。咳はその期間によって急性の咳(3週間未満)、遷延性の咳(3~8週間)、慢性の咳(8週間以上)の3つに分類されます。3週間以上続く場合、ただのかぜではなく、他の病気が原因になっている可能性があります。長引く咳は原因を特定した上で治療を行うことが大切です。早めの受診をお勧めします。

咳の種類

乾いた咳(乾性咳嗽)
「コンコン」「ケンケン」といった、痰を伴わない乾いた咳です。咳そのものが身体への大きな負担となるため、対症療法が必要な場合もあります。主な原因として、アトピー咳嗽、咳喘息、気管支喘息、胃食道逆流症、間質性肺炎などが挙げられます。
痰が絡む咳(湿性咳嗽)
湿った音がし、痰が絡んでスッキリしない咳です。気道粘膜からの過剰な分泌を抑える治療を検討します。主な原因として、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)、慢性気管支炎、気管支拡張症、気管支喘息、肺がんなどが考えられます。
熱はないのに咳が続く
熱が下がった、あるいは熱はないのに咳や痰だけが続くタイプです。感染症の名残だけでなく、咳喘息、COPD、肺がん、肺結核などの可能性も考慮し、慎重な検査と診断が必要になります。

医療機関受診の目安

以下のような症状がある場合は、早めに当院へご相談ください。

  • 咳や痰の症状が2週間以上続いている
  • 咳が頻繁に出る、頻度が高くなってきた
  • 風邪は治ったはずなのに、咳だけが長引いている
  • 胸の痛みや呼吸のしづらさを伴う
  • 階段の上り下りといった軽い動作で動悸・息切れがする

痰が絡む

熱がない、あるいは熱は下がったのに痰の絡む咳が続く場合、気道粘膜の慢性的な炎症や過剰な分泌が起きている可能性があります。
当院では、感染症だけでなく、気管支喘息やCOPD、肺炎、さらには肺結核や肺がんまでを視野に入れ、原因を詳しく検査・診断いたします。

痰の種類と考えられる疾患

スクロールできます

色・性状 主な原因 主な病気
黄色 細菌感染 急性咽頭炎、急性気管支炎など
緑色 緑膿菌 びまん性汎細気管支炎、慢性気管支炎など
錆びた色 肺炎球菌 肺炎球菌性肺炎、肺膿瘍など
白色・粘度が高い 非細菌性のウイルス アレルギー性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)など
白色・サラサラ 細菌感染など 気管支喘息、肺胞上皮がんなど
ピンク色・泡沫状 出血に空気が混じる 肺水腫など
暗赤色 下気道からの出血 肺がん、気管支拡張症、肺結核症など
赤色 肺からの出血 肺出血など

医療機関受診の目安

以下に該当する場合は、早めに当院へご相談ください。

  • 血痰や、色の濃い痰が出た
  • 痰を伴う咳が2週間以上続いている
  • 風邪は治ったはずなのに、痰や咳だけがいつまでも続く
  • 呼吸のしづらさ、胸の痛みを感じる
  • 軽い運動(階段の上り下りなど)で動悸や息切れがする

昼間の眠気

日中に強い眠気を感じる原因が、不規則な生活習慣などによる単純な寝不足でない場合、何らかの病気が隠れている可能性があります。近年では「睡眠時無呼吸症候群」が広く知られるようになりましたが、そのほかにも強い眠気を引き起こす疾患はいくつか存在します。
当院では多角的な視点から原因を探り、正確な診断に努めています。

昼間の眠気から考えられる疾患

  • 睡眠時無呼吸症候群
  • 過眠症(ナルコレプシー、突発性過眠症)
  • 反復性過睡症
  • うつ病
  • 月経前症候群(PMS)

医療機関受診の目安

以下のような場合には、医療機関の受診が勧められます。

  • 夜に十分な睡眠をとっても、日中の眠気が改善しない
  • 仕事や運転中に強い眠気に襲われるなど、日常生活に支障をきたしている
  • 夜間の寝つきが悪く、なかなか眠れない
  • 眠気だけでなく、全身のだるさ、集中力の低下、気分の落ち込みなどを感じる

いびき

いびきとは、睡眠時の呼吸に伴って発生する雑音のことです。睡眠中は全身の筋肉が緩むため、舌を含む喉の周囲も緩みます。重力によって舌が落ち込み、狭くなった気道を空気が通る際に、周囲の組織が振動することでいびきが起こります。
いびきには、睡眠時無呼吸症候群などの重大な疾患が隠れている可能性があるため注意が必要です。

いびきの一時的な原因

  • 疲労

    舌が喉へ落ち込み、気道を塞ぎやすくなります。

  • 飲酒

    舌の筋肉が弛緩し、気道を塞ぐことがあります。

  • 枕が体に合っていない

    高さが合わないと気道が圧迫されたり、口呼吸を誘発したりします。

いびきの慢性的な原因

  • 肥満

    気道周囲の脂肪が気道を狭めます。

  • 口呼吸

    口の筋肉の緩みにより舌が落ち込みやすくなります。

  • 扁桃・アデノイド肥大

    扁桃・アデノイド肥大や鼻中隔彎曲症などが関与します。

いびきから
考えられる疾患

医療機関受診の目安

以下のような場合には、医療機関の受診が勧められます。

  • 毎日いびきをかいている
  • 日中に強い眠気、疲れ、集中力の低下を感じる
  • いびきの音が大きくなったり、質が変わったりした
  • 朝までいびきがずっと続いている
  • 呼吸が止まった後に「ガガッ」と大きな音がして呼吸が再開する

息切れ

私たちは普段、安静にしている時は無意識に呼吸をしていますが、「息切れ」とはこの呼吸に努力が必要になったり、息苦しさという不快感を覚えたりする状態を指します。
全速力で走った後などに息が切れるのは自然な反応ですが、早足での歩行や駅の階段の上り下りといった「ちょっとした動作」で息切れを感じる場合は、何らかの健康上の異常が隠れている可能性があります。

医療機関受診の目安

以下のような場合には、医療機関の受診が勧められます。

  • 以前に比べて、日常生活での息苦しさが急に強くなった
  • 胸の痛み(胸痛)を伴う
  • 動悸が持続的に起こる
  • めまいや失神を伴うことがある

胸の痛み

胸の痛みと一口に言っても、その種類や原因はさまざまです。原因が明らかな場合を除き、胸の痛みは重大な病気が隠れている可能性もあるため、基本的には早めの受診をお勧めします。
当院では、問診や検査を通じて痛みの性質を見極め、適切な治療や高次医療機関への橋渡しを行っています。

胸の痛みの種類

胸の表面に生じる痛み
チクチク、あるいは刺すような痛みと表現されることが多く、胸壁の神経・筋肉の炎症や、帯状疱疹、外傷などが主な原因です。
胸の深いところで生じる痛み
“内臓の痛み”と言い換えられ、心筋梗塞や大動脈解離、肺塞栓症などの重篤な疾患が疑われる場合があります。
胸以外の原因による痛み
肺炎や気胸といった呼吸器疾患、または胃食道逆流症などの消化器疾患が、胸の痛みとして感じられることがあります。

医療機関受診の目安(早めの受診をおすすめします)

以下のような症状がある場合は、直ちに医療機関を受診してください。

  • 突然、胸が締め付けられるような強い痛みを感じた
  • 胸の上に重い石を乗せられたような圧迫感がある
  • 前胸部から背中にかけて、移動するような強い痛みがある
  • 痛みとともに呼吸困難、嘔吐、意識の低下、失神を伴う

痰に血が絡む

痰に少量の血が混じる「血痰(けったん)」や、ほとんどが血液である「喀血(かっけつ)」は、口腔、鼻腔、喉、気管支、肺、あるいは消化器からの出血のサインです。血痰だからと安心せず、身体からの重大な警告として受け止める必要があります。
当院では専門的な診察を通じて、出血部位や原因を速やかに特定いたします。

医療機関受診の目安(早めの受診をおすすめします)

以下のような症状がある場合は、早急に医療機関を受診してください。

  • 痰に血が絡む症状が続いている
  • 血痰とともに、胸の痛みや息苦しさを感じる
  • 大量の血痰が出て止まらない(※この場合は、直ちに救急車を呼んでください)

呼吸器内科の主な疾患

呼吸器内科で扱う主な疾患をご紹介いたします。
こちらに掲載している疾患がすべてではありませんので、お体の不調や気になる症状があれば、お気軽に当院までご相談ください。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は、大きないびきとともに睡眠中に何度も呼吸が止まる病気です。10秒以上呼吸が止まる「無呼吸」や呼吸が弱くなる「低呼吸」が、1時間に5回以上繰り返される状態をいいます。睡眠中に低酸素状態となり、それが毎晩、年単位で起きれば、心臓・血管系の病気や多くの生活習慣病と関連してきます。古くから高血圧症との関連性が報告されていますが、冠動脈疾患や脳卒中の発症にも関係するとされています。
また、この状態が繰り返し続くと熟睡できず、睡眠不足の状態になります。そのため日中の強い眠気や倦怠感、起床時の頭重感などが現れ日常生活に支障をきたすこともあります。
できるだけ早く治療を始めることをお勧めします。

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慢性閉塞性肺疾患(COPD)

タバコの煙などの有害物質を長期間吸い込むことで、肺や気管支に持続的な炎症が起き、呼吸がしにくくなる病気を「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」と呼びます。肺胞の壁が壊れる「肺気腫」と、気管支に病変が生じて気道が狭まり痰が増える「慢性気管支炎」を総称したもので、徐々に進行して肺が元の状態に戻らなくなるのが特徴です。
別名「タバコ病」とも言われ、喫煙経験のある中高年の方に多く見られる生活習慣病の一つです。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の症状と特徴

  • 風邪をひいているわけでもないのに、咳や痰が長く続いている
  • 40歳以上で、現在タバコを吸っている
  • 過去に喫煙習慣があった
  • 以前と比べて、階段の上りや坂道で息苦しさを感じるようになった

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の主な原因は喫煙

最大の原因はタバコの煙です。200種類以上の有害物質を含む煙が気道や肺に炎症を起こし、肺胞を破壊していきます。受動喫煙も大きなリスク要因です。発症者の約90%に喫煙歴があり、喫煙者の死亡率は非喫煙者の約10倍にのぼります。そのほか、PM2.5などの大気汚染や、工事現場等の粉塵・化学物質への曝露も原因となります。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の検査と診断

スパイロメーターという機器を用い、肺にどれだけの空気を吸い込み、吐き出せるかを測定します。
具体的には肺活量や1秒量などを計測し、特に「1秒率」が70%以下になると、気道が狭まって息を吐き出しにくいCOPDの状態であると判断されます。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療

症状が安定している時期の治療は、禁煙、薬物療法、呼吸リハビリテーションの3つが大きな柱となります。喫煙を継続すると肺機能の低下が加速してしまうため、禁煙を治療の土台として徹底することが不可欠です。そのうえで適切な薬物療法によって症状を和らげ、リハビリを取り入れながら運動能力の維持・向上を目指していきます。
当院では禁煙外来を設けております。自力での禁煙が難しい方も、医師のサポートのもとで着実な改善を図ることが可能です。

禁煙外来

薬物療法
治療の中心となるのは、気道を広げる働きを持つ気管支拡張薬(抗コリン薬、β2刺激薬、テオフィリン薬など)です。効果を最大限に引き出し、副作用を抑えるために、主に吸入薬の使用が推奨されています。症状の増悪を繰り返す場合には吸入ステロイド薬を併用し、痰が絡んで不快な方には去痰薬を用いて排痰をスムーズにします。
非薬物療法
リハビリとして、口すぼめ呼吸や腹式呼吸といった呼吸トレーニング、下肢を動かす運動療法、栄養管理などを行います。病状が進み低酸素状態が顕著な際は、在宅酸素療法を導入します。息苦しさから活動を控えると、筋力低下によりさらに呼吸が苦しくなる悪循環に陥りやすいため注意が必要です。医師と相談しながら、散歩やストレッチなど無理のない範囲で運動を継続し、呼吸に必要な筋肉を鍛えることが大切です。
食習慣の改善
呼吸機能が低下した状態では、呼吸をするだけでも多大なエネルギーを消費してしまいます。運動療法の効果を十分に得るためにも、栄養バランスの整った食事を意識し、高カロリー・高タンパクな献立を心がけましょう。一度に多くの量を食べられない場合は、1日の食事回数を4〜5回に分けて少しずつ摂取するなどの工夫も有効です。

気管支喘息

気管支喘息は一般的に「喘息」と呼ばれています。気道(口や鼻から肺につながる空気の通り道)に慢性的な炎症が生じ、さまざまな刺激に敏感になり、発作的に気道が狭くなることを繰り返す病気です。このため喘鳴(のどがゼーゼー鳴ること)や咳・痰が出て息苦しくなります。夜間や早朝に発作が出やすいという特徴があり、時に呼吸困難を起こし、命にかかわることもあります。原因としてはチリダニやハウスダスト、ペットの毛、カビなどのアレルギーによることが多いとされていますが、原因物質が特定できないこともあります。発作が起きていない普段の状態から、服薬などの継続したケアが必要になります。

気管支喘息の症状

  • 安静にしていても、突然激しく咳き込むことがある
  • 激しい咳き込みが繰り返し起こる
  • 咳や息苦しさで夜中や明け方に目が覚める
  • 呼吸をするとゼーゼー、ヒューヒューという音が出る
  • 運動した後に息苦しくなる

気管支喘息の原因

喘息(ぜんそく)は、子どもの5~7%、大人の3~5%に見られる身近な呼吸器疾患です。
小児の喘息では男子に多い傾向があり、アレルギーが主な発症要因とされています。小学校高学年になると発作が落ち着く時期もありますが、20~30歳代になって症状が再び現れるケースも珍しくありません。
成人の喘息については、6~8割が成人後に初めて発症しており、性別による差はほとんどありません。小児の喘息と比べると、発症要因が一つに絞り込めないことが多い点も特徴です。

主な喘息の原因

  • アレルゲンとなるもの
    • ダニ
    • ハウスダスト
    • ペット
    • 花粉
    • 食物
  • アレルゲン以外の誘因
    • 運動
    • たばこ
    • 過労・ストレス
    • 風邪などの感染症
    • 大気汚染
    • 天候・気温の変化
    • 香水などの匂い

気管支喘息の検査と診断

昼間には症状が和らぎ、医療機関を受診した時点では自覚症状がないこともあります。喘息には、自然経過や治療によって症状が改善するという特性があるため、呼吸機能検査やピークフローメーターを活用して気管支の内径を評価します。
気道炎症の程度を示す指標として、喀痰や血液中の好酸球の増加、あるいは呼気中一酸化窒素濃度(FeNO)の測定も診断の参考になります。アレルギーの有無や原因アレルゲンの特定には血液検査が用いられます。さらに、類似した症状を示す心不全、COPD(タバコ病)、結核などの感染症、気道異物といった他疾患との鑑別を目的に、血液検査・心電図検査・レントゲン検査が必要となる場合があります。

気管支喘息の治療

喘息の治療は、悪化につながる要因を特定し、その原因を排除するところから始まります。
ダニアレルギーの場合はダニ対策が欠かせませんし、犬や猫へのアレルギーがある場合は、できる限りそれらの動物と距離を置く生活が求められます。アレルギー以外の誘因についても、発作が起きた状況を振り返りながら推測し、その誘因を避けることが大切です。喘息の悪化要因は一つとは限りません。症状をしっかりコントロールするには、悪化のきっかけに気づき、一つひとつ対処していくことが不可欠です。当院ではアレルギー検査や喘息日誌の活用を通じて、患者様おひとりおひとりの増悪因子を丁寧に探り、具体的な対策をご案内しております。

薬物治療

悪化要因を取り除くことと並んで欠かせないのが、薬物療法です。治療薬は大きく「長期管理薬」と「発作治療薬」の二種類に区分されます。
「長期管理薬」は、喘息の根本にある気道炎症を鎮め、症状が出にくい状態を保つための薬です。長期管理薬による加療中に発作が生じた場合や、症状が出そうになった際に一時的に使用するのが「発作治療薬」の役割です。

咳喘息

気管支喘息に特有のヒューヒュー・ゼーゼーという呼吸音(喘鳴 ぜんめい)や呼吸困難は伴わず、咳だけが長期間続く病気です。咳喘息は気管支喘息とは区別されますが、気管支喘息に移行する前段階と考えられています。風邪をきっかけに発症することが多く、風邪自体は回復したように見えるのに咳だけが長引く場合、この疾患を念頭に置く必要があります。

咳喘息の特徴

  • 咳は続くが、喘鳴(ゼイゼイ、ヒューヒュー)は伴わない
  • 夜間から早朝にかけて咳の症状が強くなる
  • 寒暖の差が大きい日に症状が悪化しやすい
  • 市販の感冒薬や鎮咳薬を使用しても効果が見られない
  • 季節の変わり目や天候の変化により症状に波がある

咳喘息の原因

咳喘息の発症メカニズムは十分に解明されていませんが、アレルギー体質を持つ人が発症しやすいとされています。
アレルギー素因のある人は、ハウスダスト・カビ・ペットの毛・花粉などのアレルゲンに反応し、気道(鼻や口から肺へと続く空気の通り道)に炎症が生じることで咳が誘発されます。
アレルギーがない場合でも、タバコの煙・運動・飲酒・精神的ストレスといった刺激が引き金となって咳が出ることがあります。

咳喘息の検査と診断

画像検査
他の疾患と咳喘息を見分けるために実施します。咳喘息であれば、肺のレントゲン画像に異常は現れません。ただし、長引く咳の背景に別の疾患がある場合、レントゲンやCTで異常所見を認めることがあります。
血液検査
アレルギーの有無や、気道における炎症の程度などを確認します。
アレルギーが確認された場合、咳喘息の症状を誘発する物質(アレルゲン)が特定できます。その物質を日常生活の中で避けることにより、症状の悪化を予防することができます。
呼吸機能検査
呼吸機能や気道の状態、呼気に含まれる物質の数値を把握するための検査を行います。
スパイロメトリー・呼気NO検査・モストグラフなど、複数の検査が用意されています。
気管支拡張薬の吸入
他疾患の可能性を除外した上で、咳喘息が疑われる場合には、気管支拡張薬の吸入を試みることがあります。気管支拡張薬は咳喘息への治療効果が比較的高く、吸入後に改善が確認された場合、咳喘息の可能性がさらに高まります。

咳喘息の治療

感冒薬・抗生物質・一般的な鎮咳薬は咳喘息には有効ではありません。治療の基本は気管支喘息と同様で、気道の炎症を抑える吸入ステロイド薬が中心となります。夜間症状が強く日常生活に支障が出る場合には、長時間作用型気管支拡張薬を併用します。気管支拡張薬は一時的な症状緩和には役立つものの根本的な治療にはならないため、咳を根本から改善するには吸入ステロイド薬が不可欠です。ステロイドや気管支拡張薬には内服薬と吸入薬の両剤形がありますが、副作用が比較的少ない吸入薬を主体として使用します。
また、アレルギーが原因の場合はダニ・ホコリ・花粉などの増悪因子を回避する、喫煙者は禁煙に取り組む、疲労やストレスを軽減するなど、原因に応じた生活環境の整備も重要な要素です。

肺炎

肺炎は、細菌やウイルスの感染によって肺に炎症が起こる病気です。風邪やインフルエンザと似た症状が現れますが、重症化すると命に関わることもあるため、早期の診断と治療が欠かせません。高熱や激しい咳が1週間近く続く場合や、呼吸が速くなる、息苦しさを感じるといった症状がある場合は、肺炎の可能性があるため、早急に呼吸器専門の医療機関を受診しましょう。

肺炎の種類

細菌性肺炎
肺炎球菌や黄色ブドウ球菌などが原因で、黄色や緑色の痰を伴う湿った咳が出ます。
ウイルス性肺炎
インフルエンザや麻疹などのウイルスが原因で、激しい咳や高熱、強いだるさが特徴です。
非定型肺炎
マイコプラズマなどが原因で、乾いた咳が長く続く傾向があります。

肺炎の検査

画像検査
レントゲン(X線撮影)やCTを用いた画像検査を行います。炎症が生じている部位は白く映し出されるため、肺炎の有無や広がりを視覚的に直接確認することが可能です。
血液検査
炎症の有無を判定するCRP値や白血球数、体内の異常を示す赤沈値(血沈値)などを測定します。また、肺が十分に機能しているかを評価するため、血液中の酸素濃度を測定し、呼吸の充足度を確認することもあります。
呼吸機能検査
肺の膨らみ具合や酸素を取り込む能力を調べる検査です。測定された肺活量を年齢や体形から算出された平均値と比較する(%肺活量)ことで、呼吸機能の状態や重症度を判断する目安とします。

肺炎の治療

治療の基本は原因を特定し、それに対して最適な抗菌薬を使用することです。軽症の場合は抗菌薬の内服による外来通院で治療を行いますが、重症の場合には入院が必要です。入院治療では、安静を保ちながら抗菌薬を注射によって投与します。
治療の目的は辛い症状を和らげ、合併症を未然に防ぐことにあります。最適な治療法は、感染した肺炎のタイプや重症度、患者様の年齢、全体的な健康状態を考慮して決定されます。
はっきりとした原因の特定が難しく、かつ緊急を要する症状の場合には、「エンピリックセラピー(経験的治療)」と呼ばれる手法をとることがあります。これは、蓄積された臨床経験に基づき、原因と思われる病原体に広く有効な薬剤を用いて早期に治療を開始するものです。

肺炎と風邪の違い

スクロールできます

症状・特徴 肺炎 風邪
高熱(38℃以上)になることが多い 微熱(37℃前後)
強くて長引く 軽くて短期間
黄色〜緑色の痰が出ることが多い 少ない、または透明
呼吸の状態 息苦しさ、呼吸が浅くなる 通常通り
全身のだるさ 強い倦怠感、ぐったりすることも 軽め
経過 放置すると悪化、入院が必要なことも 数日で自然に回復

肺水腫

肺水腫は病名ではなく肺に水がたまった状態のことをいいます。原因は大きく分けて「心原性肺水腫」と「非心原性肺水腫」の2種類があります。心原性肺水腫は、心筋梗塞や不整脈など心臓に原因がある場合で、心不全が原因となって起こるものを指します。非心原性肺水腫は、心臓以外の原因で生じるものです。敗血症や重症肺炎、重症外傷、高山病などさまざまな疾患が原因となり得ます。主な症状は呼吸困難で、とくに仰向けになると息苦しくなるため、起き上がって座りたくなったり、夜中に突然息苦しくて目が覚めたりすることがあります。

肺水腫の症状と特徴

  • 動作時の息切れ
  • 呼吸困難
  • 息が苦しくなる窒息感
  • 動悸
  • 脈が速い、もしくは乱れている
  • ピンク色の泡沫痰
  • 喘鳴

肺水腫の原因

原因は、「心原性肺水腫」と「非心原性肺水腫」の2つに大別されます。
心原性肺水腫は、心筋梗塞や不整脈など心臓側に問題がある場合に起こるもので、心不全が主な原因となります。
非心原性肺水腫は、心臓以外の要因によって生じ、敗血症・重症肺炎・重症外傷・高山病など、多様な疾患が原因となり得ます。なかでも急性呼吸窮迫症候群(ARDS=肺炎や敗血症などを契機に重篤な呼吸不全をきたす病態)は死亡率の高い疾患の一つです。

肺水腫の検査と診断

肺水腫の診断を行うにあたり、以下のような検査を実施する場合があります。

  • 胸部の聴診
  • 血液ガス分析
  • 採血
  • 心臓超音波
    (エコー)
  • X線検査

胸部レントゲンや胸部CTといった画像検査では、血管や気管支の周囲に液体成分が存在するか、心臓や肺血管が通常より増大していないかを確認することを目的とします。
動脈血ガス分析では、血液中の酸素(PaO2)と二酸化炭素(PaCO2)の値を測定し、低酸素血症(動脈血中の酸素が不足した状態)の有無を評価します。
その他、肺水腫の基礎疾患が疑われる場合は、血液検査・喀痰培養検査・心臓カテーテル検査などを追加することがあります。
これらすべての検査を一律に実施するわけではなく、病状や症状に合わせて適切な検査を組み合わせます。

肺水腫の治療

肺水腫の治療は心原性・非心原性によって方針が異なりますが、原因疾患に応じて肺胞内の水分を排出するための利尿薬や、肺の炎症を抑制する薬などを組み合わせて対応します。
肺水腫では低酸素状態を来すことが多く、まず体位を整え安静を保つことで呼吸を楽にします。半座位(臥位から上半身を約45度起こした姿勢)をとると静脈還流が減少して肺うっ血が軽減し、呼吸困難の緩和につながることがあります。
SpO₂が90%以下、またはPaO₂が60以下の場合には、低酸素状態を是正するために酸素療法を行うことがあります。
さらに重篤な場合は、人工呼吸器による管理で低酸素状態の改善を図ることもあります。
呼吸困難に陥ると生命の危機感と強い不安・恐怖が生じるため、肺水腫が進行する前の早期対応が肝要です。

肺がん

肺がんの原因として最も重要なのが喫煙です。「1日の喫煙本数×喫煙年数」の数値が大きいほど、肺がんになる危険性が高くなるといわれています。
肺がんの多くは、初期には発生部位にとどまっていることが多いといえますが、次第に周囲のリンパ節に転移したり、肺内の別の部位、骨、肝臓、脳、副腎などに遠隔転移を起こしたりします。
発生部位付近にとどまっており、手術で完全に取りきれる可能性がある場合は、手術が行われますが、手術が難しい場合などは放射線治療(定位放射線治療)や抗がん剤による治療が選択されることもあります。

肺がんの原因

肺がんの発症要因の一つとして、タバコや大気汚染などの有害物質(健康に悪影響を与えうる物質)が挙げられます。こうした物質によって肺細胞の遺伝子(DNA)に損傷が生じ、遺伝子変異が起こってがんへと進展することが多いとされています。また、加齢に伴い肺細胞の遺伝子が自然に変異してがんが発生することもあります。
遺伝子変異は、細胞の増殖と分裂を調節するがん遺伝子やがん抑制遺伝子に生じることがあります。これらの遺伝子が障害されると、細胞が制御なく増殖を続け、結果として肺がんが形成されます。
重要なのは、すべての遺伝子変化ががんに至るわけではないという点です。多くの場合、身体には変異を修復する機構が備わっています。しかし修復が追いつかなかった場合に変異が蓄積し、細胞増殖が制御不能となったとき、肺がんが発症します。

肺がんの症状と治療方法

肺がんは初期段階では症状を自覚しないことがほとんどです。進行に伴い、咳・痰・胸痛・息切れ・息苦しさ・動悸・血痰・発熱・体重減少などの症状が現れ、身体への負担や日常生活への影響が出てくることがあります。これらの症状は他の呼吸器疾患でも見られるため、必ずしも肺がんを示すわけではありません。
健康診断や肺がん検診でX線(レントゲン)撮影を行い、異常が疑われた場合は、CTなどの画像検査や喀痰検査によってさらに詳しく調べます。
肺がんは種類によって性質や特徴が異なり、腫瘍の大きさ・組織型・病期(ステージ)に応じて治療方針が決定されます。一般的に手術・放射線療法・化学療法(抗がん剤治療)を組み合わせた治療が行われます。

結核

結核は、結核菌を原因とする感染症です。主に肺で発病しますが、リンパ節・脊椎・腸など全身のさまざまな部位にも発病することがあります。
感染経路は、患者様の咳やくしゃみとともに空気中に放出された結核菌を吸い込むことです。ただし、感染しても全員が発病するわけではなく、発病するのは感染者の10人に1~2人程度とされています。

結核の症状と特徴

初期症状は咳・痰・発熱など、風邪と共通するものがほとんどです。ただし風邪と異なる点は、2週間以上症状が続いたり、軽快と悪化を繰り返したりすることです。

  • 咳が長引く
  • 痰がでる
  • 倦怠感
  • 微熱が続く

結核の感染と発病

結核菌が肺に侵入して増殖を始めると、まず軽度の肺炎様変化が生じます。同時に肺のリンパ節が腫脹することもありますが、これらの変化は軽微なため、多くの場合は気づかれることなく経過します。やがて人体に結核に対する「免疫」=抵抗力が形成されます。抵抗力が菌よりも上回った段階で、形成されかけた病巣は修復され、菌は封じ込められます。このような経過は、結核菌が肺に侵入してから2~3か月以内に起こります。
封じ込められた結核菌は死滅したわけではなく、肺の中で潜伏状態を保っています。その後、免疫力が低下した機会に再活性化します。これが結核の「発病」です。成人の結核は、感染から1年以上、場合によっては数十年を経て発症することがある疾患です。
感染直後に十分な免疫が形成されなかった場合には、初期病巣がそのまま進行して発病することもあります。乳幼児や小児の結核の大部分、および青年層の一部の結核はこのような経路で発生します。

結核の治療

結核治療の根幹は、規則正しい服薬継続にあります。年齢や症状に応じて3~4種類の薬剤を組み合わせ、6~9か月間内服を続けます。
治療途中で服薬を中断したり、飲み忘れが続いたりすると、結核菌が薬剤に対する耐性を獲得し、薬が効きにくい菌が生まれる危険性があります。確実に服薬を継続することが治療の要です。

非結核性抗酸菌症

抗酸菌とは、一般細菌とは異なり染色されにくい一方、いったん染色されると酸性アルコールによる脱色に抵抗性を示す、酸に耐性を持つ菌の総称です。抗酸菌属には結核菌・らい菌・非結核性抗酸菌などが含まれます。非結核性抗酸菌による感染症が非結核性抗酸菌症です。
現在100菌種以上の非結核性抗酸菌が確認されていますが、ヒトに疾患を引き起こすのは約15菌種とされています。そのうちアビウムとイントラセルラーレの2菌種が全体の7~8割を占めており、この2菌種をまとめてMAC(マック)と呼びます。次いでカンサシーが約2割弱を占め、その他の希少菌種が1割弱を占めます。
結核菌はヒトに寄生し体外では生存できない細菌であり、ヒトからヒトへと感染しますが、非結核性抗酸菌はもともと土壌・水・塵埃などの身近な環境に生息しています。これらの環境中に漂う粉塵や水しぶきとともに菌を吸い込むことで感染が成立します。誰でも感染する可能性はありますが、ヒト間での感染伝播はなく、結核のように隔離入院は不要です。また、非結核性抗酸菌症が進行して結核に転化することもありません。

非結核性抗酸菌症の症状と特徴

  • 咳、痰がでる(痰のでない空咳のこともある)
  • 咳が3週間続く
  • 血の混じった痰がでる
  • 熱が出る
  • だるさがある
  • 体重が減少する
  • 息切れがする

非結核性抗酸菌症の検査と診断

レントゲンやCTによる画像検査と、喀痰検査が診断の柱となります。画像検査で非結核性抗酸菌症を示唆する所見が認められ、かつ喀痰から菌が検出される(喀痰培養検査・遺伝子検査などを実施)ことで診断が確定します。菌の発育が緩徐なため、培養検査の結果が得られるまで6~8週間を要することもあります。
非結核性抗酸菌はもともと自然界に広く存在するため、痰に偶発的に混入することもあり、診断には複数回の菌検出(喀痰検査など)が必要です。
結核・肺真菌症・肺癌・肺炎などとの鑑別が重要であり、喀痰が得られない場合には、菌を確認するために気管支鏡検査を行い詳細な検索を実施することがあります。

非結核性抗酸菌症の治療

治療は年齢・体重によって内容が異なりますが、日本では1日8~10錠の内服を2年間継続することが推奨されています。ただし、若年~中年者には積極的な治療が行われる一方、高齢者については進行が速い場合にのみ治療が検討されます。これは、治療効果が比較的限定的である一方、副作用が生じやすい側面があるためです。主な副作用として肝障害・視力障害・消化器症状が挙げられます。肝障害は採血検査で、視力障害は視力検査で発見可能です。治療開始当初は1~2週間ごと、安定期には3~4週間ごとに外来で経過を確認し、副作用の出現に備えます。治療期間は2年が目安ですが、副作用の発現や治療継続の困難を理由に早期に終了するケースもあります。短期間でも治療効果が得られることは多く、大きな問題にはならないことがほとんどです。若年者で病変が局所に限局し進行が速い場合や空洞を伴う場合には、積極的に外科的治療が選択されることもありますが、対象となる患者様はごく一部に限られます。

気管支拡張症

何らかの原因によって気管支が非可逆的(元に戻らない)に拡張してしまう疾患です。気管支が拡張すると複数の問題が生じます。拡張した部位に細菌やカビが繁殖して炎症が起こり、感染が繰り返されることで病状が悪化します。また、炎症に伴い気管支拡張部の血管が増生されるため、血痰や喀血を来すことがあります。
原因は感染症・気道閉塞・先天性疾患・免疫異常など多岐にわたります。なかでも最も重要なのが気道感染症であり、気管支・肺胞の発育が著しい乳幼児期の感染が問題となりやすいとされています。また先天性の原因の一つとして原発性線毛機能不全があり、気道粘膜の線毛系に先天的な異常が生じる病気です。

気管支拡張症の症状と特徴

  • 咳が長引く
  • 黄色い痰
  • 血痰
  • 呼吸困難、息切れ
  • 胸痛
  • 38℃以上の発熱
  • だるさ
  • 脱力感
  • 体重減少

気管支拡張症の検査と診断

画像検査
画像検査とはX線写真・CT・MRIなどの画像を通じて身体の状態を評価する検査です。
気管支拡張症が疑われる場合は、X線写真やCTによって気管支拡張の有無と病変の範囲を確認します。
呼吸機能検査
肺疾患が疑われる場合には、病名の確定目的ではなく病状の進行度を評価するために呼吸機能検査を実施します。
検査では一般に、肺への空気の蓄積・呼出・吸入といった機能について測定が行われます。
喀痰培養検査
感染症が原因と考えられる場合、喀痰に含まれる細菌の菌種を同定します。原因菌を把握することは、炎症・感染に対する適切な治療を行う上で重要な情報となります。

気管支拡張症の治療

症状が安定している時期は、気道内を清潔に保つことが重要であるため、気道クリーニングを主目的とした治療を行います。去痰薬の内服や体位変換による排痰促進が中心となります。水分をしっかり摂ることも痰を排出しやすくするために有効です。さらに症状の軽減と炎症抑制を目的として、マクロライド系抗菌薬の長期内服が行われる場合もあります。
風邪などを契機に肺炎や気管支炎を合併した場合、あるいは発熱や喀痰量が増加した場合には、原因菌に対応した適切な抗生物質を用いて感染をコントロールします。
血痰を伴う際は止血薬の内服を行います。血痰が持続する場合や大量の喀血を認める場合には、止血薬の注射に加え、血管造影により出血に関与する気管支動脈を特定して当該血管を閉塞させる気管支動脈塞栓術が選択されることもあります。感染や喀血を繰り返し、かつ気管支拡張が局所に限定されている場合は、拡張した気管支を含む肺を外科的に切除することもあります。

肺塞栓症(エコノミークラス症候群)

肺塞栓症とは、血栓などが肺の血管に流入し、血管が閉塞してしまう疾患です。
血栓が肺血管を塞ぐと血液中の酸素摂取が妨げられ、全身に酸素を十分に供給できなくなるため、生命に直接的な危険が生じます。
通称「エコノミークラス症候群」とも呼ばれています。
これは、航空機の狭い座席に長時間同じ姿勢でいることが発症の一因とされているためです。
正式な病名は肺血栓塞栓症(はいけっせんそくせんしょう)です。

肺塞栓症の症状と特徴

  • 息切れ
  • 胸痛
  • ふらつきまたは失神
  • 太ももからふくらはぎに赤み、腫れ、痛みが生じる

肺塞栓症の原因

肺塞栓症の原因の大部分は、下肢(脚・足)の血管に形成された血栓です。血流が滞ることで血液が凝固し、血栓が形成されます。この血栓が肺の血管に流れ込むことで肺塞栓症が発症します。
なお、下肢の血管に血栓が形成された状態を下肢深部静脈血栓症(かししんぶじょうみゃくけっせんしょう)といいます。
血栓以外にも、骨折の際に血管に漏出した脂肪や、血流に乗ったがん細胞など、特殊な塞栓物質によるタイプも存在します。

血栓ができやすい人の特徴

  • 水分摂取が不足している(特に高齢者)
  • 肥満や糖尿病などにより血液循環が低下している
  • 高血圧
  • 自動車の運転や航空機搭乗などで長時間の座位を続けている
  • 術後や疾患のために長期間にわたり下肢を十分に動かせていない
  • 何らかの疾患や薬剤の影響で血液が凝固しやすい状態にある

血栓が生じやすい薬剤として代表的なのが経口避妊薬ピル(OC)です。ピルを服用している方は、血栓形成のリスクに注意が必要です。
また、手術や外傷によって血管が損傷した場合、その部位は血栓が生じやすい環境となります。

肺塞栓症の検査と診断

肺塞栓症の診断において最も重要とされる検査が造影CTです。造影CTとは、造影剤を下肢の血管から肺血管にかけて流し、病変部位を特定する検査です。
造影剤を注入すると血管が画像上に描出されますが、血栓が存在する部位には造影剤が到達しないため血管が映らず、その位置に血栓があると判断できます。
その他、肺への血流分布を評価する「肺換気血流シンチグラフィー」や、下肢血栓を確認する「超音波検査」など、状況に応じて複数の検査を組み合わせて診断を行います。

肺塞栓症の治療法

肺塞栓症と診断された場合、残存する血栓が新たに血管へ流れ込まないようにするため、ベッド上での安静を保ちます。
また、体内の酸素が不足している場合には、酸素投与を行います。

抗凝固療法
血液を固まりにくくする薬を点滴や飲み薬で投与する手法です。血栓の量が少なく、呼吸や血圧が落ち着いている場合に実施します。
血栓溶解療法
症状が重い場合に、血栓を直接溶かす強力な薬を用いる療法です。注射やカテーテルという細い管で、直接患部へ薬剤を注入します。
カテーテル治療・肺動脈血栓摘除術
カテーテルなどの器具を用い、物理的に血栓を取り除く療法です。生命の危険があるような、極めて症状が重い際に選択されます。
下大静脈フィルター
足に血栓が残っている際、金属製のフィルターを留置する療法です。これにより、血栓が肺へ飛んで再発するのを未然に防ぎます。

気胸

気胸は肺に穴が開いて空気が漏れ出し、タイヤのパンクのように肺が萎んでしまう疾患で、胸痛・咳・息切れなどの症状が現れます。穴が開く主な原因は、肺の表面に「のう胞(ブラ)」が形成され、これが破れることです。ブラが形成される原因や破れる理由については、現在も完全には解明されていません。
気胸は若くて長身・痩せ型の男性に多く見られますが、60歳以降は肺気腫(タバコなどを原因として正常な肺組織が破壊される疾患)の増加に伴い、気胸を発症する方も増える傾向があります。

気胸の症状と特徴

  • 突然の胸の痛みや息苦しさ
  • 乾いた咳
  • 呼吸困難

気胸になりやすい人

明確な誘因のない気胸は、10代後半から30歳代・痩せ型・長身の男性に発症しやすい傾向があります。
この特徴に当てはまる方が気胸を起こしやすい理由は、肺の表面を覆う膜が比較的脆弱であることによるものです。一方、高齢者でも以下の条件に該当する場合は肺機能が低下しており、気胸のリスクが高まります。

  • 60歳代以降の高齢者
  • 肺に疾患がある
  • 栄養が不十分な状態
  • 長年の喫煙習慣がある

気胸の検査と診断

気胸の主な検査は身体診察とレントゲン撮影です。身体診察では聴診器で肺音を確認したり、胸壁を打診して音の変化を確かめたりします。
レントゲン検査では、肺の虚脱の程度に応じて以下のように重症度を分類します。

気胸の重症度

  1. 軽度気胸

    肺の上端が鎖骨の上付近に留まっている状態です。

  2. 中等度気胸

    肺の上端が鎖骨の下付近まで下がっている状態です。

  3. 高度気胸

    肺全体が非常に強く収縮してしまっている状態です。

  4. 緊張性気胸

    高度な収縮に加え、漏れ出た空気が肺血管を圧迫し続ける状態です。心臓への血流が阻害される、命に関わる極めて危険な病態です。

重症度に応じた治療法

軽度気胸
軽度気胸で症状がなければ、入院は不要で安静を保ちつつ外来でのレントゲン経過観察が基本です。胸に針を刺して空気を抜く処置は、肺が膨らむ際に閉じていた穴が再開通するリスクがあるため行いません。軽度気胸で肺の穴が自然に閉じれば、漏れた空気は血液に吸収されて消失します。1~3週間で改善することが多いでしょう。軽度であっても疼痛や呼吸困難がある場合は、入院での対応が安心です。
中等度気胸、高度気胸
中等度または高度の気胸では入院の上、胸腔ドレナージを行います。胸腔ドレナージとは、胸腔内に貯留したものを体外に排出する処置で、局所麻酔のもとで胸壁に管(チェストチューブ)を挿入します。この管をチェストドレーンバッグに接続し、貯留した空気や新たに漏れた空気を排出します。 バッグは外気の逆流を防ぐ構造になっています。管が入った状態でも、バッグを携帯しながらトイレや歩行は可能です。肺が十分に膨らみ、管からの空気漏れがなくなったことを確認した上で抜管を行います。抜管後に肺の拡張が良好であれば退院となります。
緊張性気胸
緊張性気胸は生命の危機に直結する緊急状態です。高度気胸の状態で肺からの空気漏れが続くと胸腔内が陽圧となります。これにより肺静脈が圧迫され、心臓への血液還流が妨げられます。心臓に血液が戻らなければ、心臓が収縮しても全身に血液を送り出せなくなり、血圧が急低下してショック状態となるため、生命の危険に至ります。緊張性気胸が生じた場合は、速やかに胸腔内の空気を排出して陽圧を解除することが最優先です。一刻を争う状況では、まず注射針を胸腔に刺して陽圧を解除する手技が行われます。その後、肺の膨張と管からの空気漏れ消失を確認できたら抜管し、肺の拡張が良好なら退院となります。

胸膜炎・膿胸

胸膜炎は、肺を包む「胸膜」と呼ばれる薄い膜に炎症が起きた状態です。胸膜は「臓側胸膜」と「壁側胸膜」の2層構造をなしており、その間の空間を「胸膜腔」と呼びます。胸膜腔には通常ごく少量の潤滑液が存在し、肺の拡張・収縮時の摩擦を和らげる働きを担っています。
何らかの原因でこの胸膜に炎症が生じると、滑らかな肺の動きが阻害され、鋭い胸痛や息苦しさが現れます。炎症の程度・部位・胸水貯留の有無によって症状の性質が変わるため、病態の把握が治療方針の決定に重要です。
胸膜炎は大きく2つに分類されます。「乾性胸膜炎」は胸水貯留が少なく胸膜同士が擦れることで鋭い胸痛を引き起こすタイプで、「滲出性胸膜炎」は炎症によって胸膜腔に胸水が貯留し、肺が圧排されることで呼吸困難が主症状となるタイプです。経過とともに乾性から滲出性へ移行することもあります。

胸膜炎・膿胸の症状

  • 息を吸うときや咳をしたときの胸痛
  • 呼吸困難
  • 咳や痰
  • 血が混じった痰

胸膜炎の原因

胸膜炎を引き起こす要因は多種多様です。最も多く見られるのは肺炎やウイルス感染、結核といった呼吸器系の感染症です。とりわけ肺炎が胸膜まで広がった際には、滲出性胸膜炎を呈して胸水が溜まる症例が頻繁に認められます。
また感染症のほかにも、膠原病(関節リウマチや全身性エリテマトーデスなど)や悪性腫瘍(肺がん、乳がんの胸膜転移、悪性胸膜中皮腫など)、さらには心不全、腎不全、肝硬変などの全身性疾患に付随して発症する場合もあります。これらは胸膜に対して直接的、あるいは間接的な刺激を与えることで炎症を誘発します。
そのほか、外傷や胸部手術による影響、特定の薬剤(抗生物質や抗てんかん薬など)の使用、放射線治療なども胸膜炎を招く一因となります。稀に原因を特定できない特発性胸膜炎と診断されるケースもありますが、大半は背景にある基礎疾患の精密な検査が必要となります。

胸膜炎の検査と診断

胸膜炎の診断では、まず問診と身体診察を行い、呼吸音の減弱や胸膜摩擦音の聴取が診断の手がかりとなります。画像検査では胸部X線で胸水の存在や肺病変を確認し、胸部CTではより詳細な病変の広がりや胸膜肥厚の有無を評価します。
胸水が認められる場合は胸腔穿刺を行い、胸水の性状を分析します。胸水は「滲出性」と「漏出性」に分類され、Lightの基準(胸水と血清のLDH・タンパク比)によって鑑別が行われます。滲出性は感染・悪性腫瘍・膠原病などの局所的炎症で見られ、漏出性は心不全・肝硬変などの全身性疾患で生じます。
採取した胸水は細菌培養・細胞診・生化学検査(糖・LDH・pH・ADAなど)に提出されます。結核性胸膜炎ではADA(アデノシンデアミナーゼ)値の上昇が示唆的であり、悪性腫瘍の場合には悪性細胞の検出が診断の鍵となります。

胸膜炎の治療

治療は原因疾患に基づいて選択されます。感染性胸膜炎では抗生物質投与が基本で、重症例や膿胸が疑われる場合は持続的な胸腔ドレナージが必要です。結核性胸膜炎には抗結核薬による6か月以上の治療が行われます。
胸水の貯留量が多い場合や症状が強い場合には、胸水の穿刺排液が行われます。悪性胸膜炎では胸膜癒着術が適応となることもあります。膠原病が原因の場合はステロイドや免疫抑制剤による治療が行われ、症状の改善と再発予防を目指します。

悪性胸膜中皮腫

胸部の肺や心臓、お腹の胃腸や肝臓などの臓器は、それぞれ胸膜・心膜・腹膜という薄い膜に包まれています。これらの膜の表面を構成する「中皮」から発生する腫瘍を中皮腫と呼び、発生部位によって胸膜中皮腫・心膜中皮腫・腹膜中皮腫などに分類されます。
胸膜中皮腫は悪性腫瘍の一つであり、一般的に「悪性胸膜中皮腫」と呼ばれます。発育の形態には、一箇所に塊を作る「限局性発育」と、胸膜に沿って広範囲に広がる「びまん性発育」があります。比較的稀な腫瘍ではありますが、その発症にはアスベスト(石綿)への曝露が深く関与していることが広く知られています。

悪性胸膜中皮腫の症状と特徴

  • 胸痛
  • 呼吸困難
  • 胸部の圧迫感

悪性胸膜中皮腫の検査と診断

びまん性発育を示す悪性胸膜中皮腫は、胸部単純X線や胸部CTで肺全体を包み込むように広がった胸膜の肥厚や多発するしこりとして認められ、大量の胸水を伴うこともあります。
ただし、肺がんとの鑑別が困難なケースも多く、胸腔穿刺で胸水中の腫瘍細胞を調べたり、局所麻酔下または全身麻酔下での生検(組織採取)によって胸膜面の腫瘍を十分量採取して病理検査を行ったりする必要があります。

悪性胸膜中皮腫の治療

悪性胸膜中皮腫は非常に治療が難しい疾患の一つとされています。治療法には外科療法(手術)、放射線療法、化学療法(抗がん剤治療)、および症状を和らげる対症療法などがあり、病期(ステージ)や全身状態に基づいて治療方針が決定されます。
病変が胸膜に留まり、リンパ節や他臓器への転移がなく、すべての病巣を完全に取り切れると判断された場合は手術の適応となります。具体的には、片側の肺を含め胸膜全体、場合によっては横隔膜や心膜まで切除する「胸膜肺全摘除術」や、肺を温存しつつ胸膜のみを剥ぎ取る「胸膜切除/肺剥皮術」が行われます。これらは非常に侵襲の大きな手術です。手術単独での治癒は難しく、予後は依然として厳しい状況にありますが、生存率の向上を目指して、手術に化学療法や放射線治療を組み合わせる「集学的治療」が積極的に検討されます。
病巣の完全切除が困難な場合には、放射線療法や化学療法が選択されます。大量の胸水によって呼吸が苦しい場合は、胸の中に管(ドレーン)を留置して液体を体外へ排出し、呼吸苦の緩和を図ります。また、胸水の再貯留を防ぐ目的で、ドレーンを通じて胸膜を癒着させる薬剤を注入する「胸膜癒着療法」が行われることもあります。

間質性肺炎

肺は肺胞と呼ばれるブドウの房状の微小な袋の集合体で構成されています。間質性肺炎は、この肺胞の壁の正常構造が破壊されて線維化(ケロイド状の瘢痕)が生じる疾患です。肺胞の壁を通じて酸素が取り込まれますが、壁が硬く厚くなることで酸素の取り込み効率が低下します。間質性肺炎の原因は多様で、膠原病・じん肺・放射線・アレルギーなどが挙げられますが、原因が特定できないものを特発性間質性肺炎といいます。
名称に「肺炎」と含まれていますが、細菌やウイルスを原因とする一般的な感染性肺炎とは異なり、進行性かつ慢性的な経過をたどることがこの疾患の特徴です。

間質性肺炎の症状と特徴

  • 息切れ
  • 乾いた咳が長く続く
  • 声がかすれる、話すと息切れする
  • 体がだるい、食欲が落ちる、体重が減る
  • 胸の違和感(締めつけられるような感じ)

間質性肺炎のタイプ

特発性間質性肺炎
発症の明らかな原因が特定できないものです。その代表である「特発性肺線維症(IPF)」は、病状の進行が比較的早いタイプとして知られています。
膠原病に伴うもの
関節リウマチや全身性強皮症といった、自己免疫疾患の合併症として肺に炎症が起こるものです。
薬剤性
服用している薬の副作用が原因で、肺組織に炎症が生じるタイプです。
環境要因によるもの
カビやホコリなどの微細な物質を長期間にわたって吸い込むことで発症する「過敏性肺炎」などがこれに該当します。

間質性肺炎の検査と診断

肺機能検査
肺機能検査は、肺がどのくらい正常に機能しているかを評価する検査です。
スパイロメトリー検査
深く息を吸って吐き出す際の空気の量や速度を計測します。間質性肺炎では肺が硬化するため、吸気量(肺活量)が減少することがあります。
胸部X線検査
胸部X線検査は肺の陰影を画像として捉える検査です。間質性肺炎が進行すると、肺が蜂の巣状に変化することがあります。この所見を蜂巣肺(ほうそうはい)と呼び、胸部X線で確認できる場合があります。また、肺の線維化により白い陰影として映し出されることもあります。
CT検査
CT検査は、胸部X線検査よりも詳細に肺の状態を評価できる検査です。

間質性肺炎の治療

間質性肺炎のサブタイプによって治療方針が異なるため、詳細な検査を通じて正確に分類することが、適切な治療方針を立てるうえで重要です。
一部の感染症・薬剤性の間質性肺炎を除き、現在の医学では多くの間質性肺炎を完全に治癒させることはできません。「治癒」とは治療を中断しても完全に回復した状態を意味します。すなわち、長期にわたり病気と向き合っていく必要があります。ただし、治癒は困難であっても、薬物療法によって健常者に近い肺の状態を維持できる(寛解状態)方もいます。一方、最善の治療を行っても緩徐に進行する方もいます。まずは自分の疾患について正しく理解することが大切です。
薬物療法はもちろん重要ですが、それと同様に日常生活の管理も欠かせません。具体的には「禁煙」「感冒予防」「栄養管理」「適度な運動」などが挙げられます。
また、咳・痰・呼吸困難などの自覚症状がある場合は、程度に応じて鎮咳薬・去痰薬の投与や在宅酸素療法などの対症療法を行います。

アトピー咳嗽

アトピー咳嗽とは、咳に対する感受性が過剰に亢進することで咳が誘発されやすくなる疾患です。
気道の粘膜表面には、咳受容体と呼ばれる感知センサーが存在します。この咳受容体が体内に入った異物を検知すると、脳に信号が送られて咳が引き起こされます。
アトピー咳嗽の患者様は咳受容体が過敏な状態にあるため、通常では咳が生じない程度の弱い刺激、例えば運動や会話などでも咳が誘発されてしまいます。

アトピー咳嗽の症状と特徴

  • 乾いた咳
  • のどのイガイガ
  • のどに違和感やかゆみがある

アトピー咳嗽の検査と診断

画像検査
X線(レントゲン)やCTによる胸部画像を撮影し、異常の有無などを評価します。
アトピー咳嗽では画像所見に異常がないことがほとんどですが、類似した症状を呈する他の呼吸器疾患との鑑別のために画像検査を行うことがあります。
血液検査
アレルギーの有無や原因物質を調べるため、血液中の好酸球数・血中総IgE値・特異的IgE抗体などを確認します。
好酸球はアレルギー反応に関与する白血球の一種で、アレルギー反応が生じると増加します。
IgE抗体は、アレルゲンが体内に侵入した際にアレルギー反応を引き起こす免疫グロブリンの一種です。
血中総IgE値はアレルギー疾患がある場合に上昇し、特異的IgE抗体はダニ・花粉・カビ・食物など特定のアレルゲンがある場合に増加します。
アトピー咳嗽はアレルギーが関与する疾患のため、血液検査でこれらの値が上昇することが確認されます。
呼吸機能検査
肺や気道の機能を評価するための検査です。スパイロメトリー・モストグラフ・呼気NO検査などが含まれます。
スパイロメトリー:肺活量などを計測し、呼吸機能の評価や疾患の重症度判定を行う検査
モストグラフ:安静呼吸状態で気道の状態を測定する検査
呼気NO検査:呼気中の一酸化窒素(NO)濃度を測定し、気道炎症の有無と程度を把握する検査
アトピー咳嗽の症状は喘息や咳喘息と類似しているため、呼吸機能検査を通じてそれらとの鑑別を行うことがあります。

アトピー咳嗽の治療

第1選択薬はヒスタミンH1受容体拮抗薬であり、有効率は約60%と報告されています。効果が不十分な場合には吸入ステロイド薬を追加します。それでも改善が得られない場合には、1~2週間程度の経口ステロイド療法が選択されます。
アトピー咳嗽は咳喘息とは異なり、将来的に喘息へ移行したり呼吸機能が低下したりするリスクはほとんどないとされているため、咳が改善すれば治療を終了することが可能です。ただし、治療終了後数年で約半数の患者様に再燃がみられるといわれています。その際は同様の治療を再開することで、多くの場合は症状が軽快します。

アレルギー性鼻炎(花粉症)

アレルギー性鼻炎は、花粉やハウスダストに対するアレルギー反応によって、鼻水・鼻づまり・くしゃみなどの鼻炎症状が生じる疾患です。目やのどのかゆみを伴うこともあります。
アレルギー性鼻炎は、ハウスダスト(ダニ)やペットが原因となる通年性アレルギー性鼻炎と、花粉が原因となる季節性アレルギー性鼻炎の2種類に大別されます。

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禁煙外来

禁煙外来では、医師による禁煙のアドバイスに加えて、禁煙補助薬の処方を受けることができます。
タバコをやめたいのにやめられない原因は、ニコチン依存症かもしれません。
禁煙治療で使用する禁煙補助薬は、ニコチンが切れるとつらくなる、そんな症状を緩和してくれる治療薬です。
禁煙できないのは意志が弱いからではありません。ニコチン依存症という病気だからやめられないのです。
禁煙をお考えの方は当院にご相談ください。

健康保険適用の禁煙治療の条件

以下の条件をすべて満たす場合には、健康保険を適用して禁煙治療を受けることができます。
※これらの条件を満たさない場合でも、自由診療による禁煙治療を受けることが可能です。

  • 自らが直ちに禁煙を始めたいと思っていること
  • ニコチン依存度スクリーニングテストが5点以上であること
  • [1日の喫煙本数]x[喫煙年数]が200以上であること ※34歳以下の方はこの要件を満たさなくても保険適用となります
  • 禁煙治療を受けることに文章で同意すること
  • 過去1年以内に健康保険を用いた禁煙治療を受けていないこと